市場勢力バランス(BMP)とは!?
テクニカル分析のツールとして、私が使っているチャートソフトには入っていないのですが、市場勢力バランス(Balance Of Market Power)というものがあります。名前は聞いたことがあるのですが、意味が分からないので、調べてみました。
ドン・ワーデンという人が開発したモメンタム系のオシレーターで、日々の価格変動から双方にスコアを付け、差分をグラフ化するというユニークなものです。百分率のオシレーター(オシレーター系)ではないため、一定レンジ内を上下に推移することも、上下限に張り付いた推移をすることもありません。
ドン・ワーデンは、BMPをそのまま使用せず、それを期間14日の単純移動平均(Simple Moving Average➡SMA)で平準化して使用するのを原則とし、SMA(期間95日)と併用することで、ゴールデンクロスやデットクロスを狙ってもよいとしたそうです。また、チャートの表示期間や市場動向によって計算期間を調節する必要性も指摘していたそうです。
平準化する前のBMPの計算方法は次の3ステップから成ります。
<第1ステップ>
・始値に対する強気スコア(➀)と弱気スコア(❶)の計算
(高値-始値)÷(高値-安値)=➀👈始値から高値まで価格を押し上げる力
(始値-安値)÷(高値-安値)=❶👈始値から安値まで価格を押し下げる力
・終値に対する強気スコア(②)と弱気スコア(❷)の計算
(終値-安値)÷(高値-安値)=②👈安値から終値まで価格を押し上げる力
(高値-終値)÷(高値-安値)=❷👈高値から終値まで価格を押し下げる力
・始値と終値の値幅に対する強気スコア(③)と弱気スコア(❸)の計算
【陽線の場合】👈1日の値動きを通して最終的に強気勢力が押し切った。
【陰線の場合】👈1日の値動きを通して最終的に弱気勢力が押し切った。
<第2ステップ>
(①+②+③)÷3=当日の強気スコア
(❶+❷+❸)÷3=当日の弱気スコア
<第3ステップ>
当日の強気スコア-当日の弱気スコア=BMP
BMPは現在の相場で強気と弱気どちらの勢力が優勢であるかの判断を助けてくれるだけでなく、価格と指標のダイバージェンス(発散)とコンバージェンス(収束)などから売買シグナルも示してくれます。
ただし、BMP自体の過去の推移から支持・抵抗、転換点を見出す必要があるので、売買シグナルは分析者の主観に依存しやすい点に注意を払う必要がありそうです。