ドットチャートショックの学び
先週のドットチャートショックの$¥急騰と各種クロス円の急落と、今週に入ってからのスバイクハイでの各種クロス¥の急激な戻しを体験した学んだことを整理します。
1.¥安・$高は必ずしも欧州通貨高・資源国通貨高にはならない。
これまで、¥安・$高➡クロス円でも、¥安・欧州通貨高、¥安・資源国通貨高になると思ってきました。しかし、今回の大相場を見ると、¥安・$高➡$一強高(強力な$高)➡ドルストで、$高・欧州通貨安、$高・資源国通貨安➡対¥でも、欧州通貨安・資源国通貨安になり得るということです。米国のテーパリング観測・利上げ前倒し懸念によって、テーパリング議論・予定の先行国(カナダ・ℕZ・英国など)の通貨を蹴散らして、クロス円の下押し圧力にまでなってしまったのですから、米$の存在感の大きさは他の全ての通貨を圧倒するものであることを思い知らされました。円安・ドル高だから、無条件にクロス円買い持ちというのは安易な考えでした。
2.記録のための損益計算表と日誌は意味がない。
私が使っていたFX損益計算表は、通貨ペアごとの成績のランキングが出るようになっており、儲けることよりも、累積結果がマイナスの通貨ペアを何とかプラスにしたいという欲求が湧いて、それが抑え難く、これまでの成績の悪い資源国通貨(カナダドル円、豪ドル円、ℕZドル円)に手を出して損失を拡大させがちでした。また、勝率を常に集計するようになっていたので、僅かな損失も避けようとして失敗エントリーのポジションをなかなか切れないという弊害を招いていました。さらに、トレード日誌で、日々のトレード中の思考を記録して検証するはずが、やったトレードを正当化する後付けの理由を書くようになってしまい、投資家マインドの強化という目的からかけ離れた自己満足シートになってしまっていました。
3.10~20ピプスごとの細かいアラートは大局的判断を狂わせる。
手動トレード(SBI証券)とは別に自動売買システムであるループイフダン(🌻証券)を利用していますが、買いループのセットを$¥と€¥は10ピプス幅、£¥は20ピプス幅にしていたので、€¥と£¥の300ピプス近い急落時に新規注文(難平ロング)のメールが頻繁に大量に来続け、冷静な判断ができなくなりました。土曜日(19日)の未明には、メールの音で目覚めて開けたチャートの惨状にショックを受け、耐えきれずに全て損切りしてしまいました(翌週、反転急騰し、ホールドしていれば損失を被ることはありませんでした。)。
4.資金管理をなし崩しにしてはならない。
結局、上記のように、(週足では20期間移動平均線が僅かですが上向きで、価格も同線よりやや上にあったのに)耐えられなくなってしまったのは、上がった時の上値追いの追加ロングや下がった時の難平ロング、テーパリングなどの話題に上がった資源国通貨に手を出してしまう等の所作の積み重ねでポジションが大きくなり過ぎ、深押し(大きな調整)に対する耐性がな失われていたことが最大の原因です。どこまでなら許容できるのか、限界より少ない所に決済逆指値を入れておくことは資金管理の基本であり、許容ラインより遠くに決済逆指値を置いていたことは今回の大失敗トレードの最大の問題であったという結論に至らざるを得ません。1回のトレードで資金の2%、1日のトレードで資金の5%以内に決済逆指値を設定するという鉄則を破った以上、今回の少なからぬ損失(約50万円)は受け容れざるを得ません。
ループイフダンで初めての両建て
SBI証券の口座での手動トレードを辞める決断をして、出金指示しましたが、振り込まれるのは明日。それまで待てないアイデアが浮かび、ループイフダンの3つの運用を全て解除し、新たに6つの運用を始めたかったのですが、善は急げで、うち4つの運用を開始することにしました。
まずは、£¥のB20とS20の両建てで、最大ポジション数は各120です。つまり、注文をセットする範囲を24円とし、価格が20銭動くごとに新規買い・新規売り・決済売り・決済買いを自働で行うようにしたのです。
次に、€¥のB40とS40の両建てで、最大ポジション数は各65です。こちらは、注文をセットする範囲を26円とし、40銭変動することに自動で売り・買いします。
普段ならボラティリティの小さい€¥ですが、先週以来値動きが激しくなっているので、普段ボラの大きい£¥より取引値幅を大きく設定しました。
これがどういう結果を生むのか、楽しみです。また、SBIの資金が戻ってきたら、$¥でも仕掛けるべきかどうか、また一晩考えてみたいと思います。
$¥とクロス円が逆相関!?
ここ数年FXをやってきて、$¥が上昇すると、クロス円もつられて上昇する場面を多く見てきました。ところが、先週のドットチャートショック後は、$¥が急上昇するのと反比例するように、クロス円が急落してきました。€$が下がって、$指数上昇し、欧州通貨や資源国通貨が円以上に対ドルで急激に下がれば、$¥とクロス円の逆相関のように見える現象が起きるんですね。ここまで逆方向なのは、初めて見ました。
米国の中央銀行の体制って?
中央銀気と言えば、わが国では日銀ですが、米国ではどうなっているのか気になり始めたので、調べてみました。🗽
まず、トップに連邦準備理事会(以下「FRB」と言います。)というものがあり、その下に幾つかの地区連邦準備銀行(以下「連銀」と言います。)があります。
FRBの構成は、議長1名、副議長1名、規制担当副議長1名、その他の理事数名であり、現在は、❶パウエル議長、❷グラナダ副議長、❸クォールズ規制担当副議長、❹ブレイナード理事、❺パウマン理事、❻ウォーラー理事、❼ウィリアムズ理事(NY連銀の総裁と兼任)がいます。
以上とは別に、連邦公開市場委員会(以下「FOMC」と言います。)と言う金融政策決定会合が年4回行われることになっていて、❶~❼の面々はFOMCのメンバーでもあります。その他に、各連銀から持ち回りで4行の総裁が1年限定でFOMCのメンバーになります。今年は➀エバンス総裁(シカゴ連銀)、②バーキン総裁(リッチモンド連銀)、③ボスティック総裁(アトランタ連銀)、④デイリー総裁(サンフランシスコ連銀)がFOMCメンバーとなっています。これらの方々の発言は金融市場を動かすトリガーになりがちでありますが、1年ごとの持ち回りなので、今後の見通しを織り込もうとする市場の性質上、来年に就任予定の連銀(ⓐクリーブランド連銀、ⓑフィラデルフィア連銀、ⓒダラス連銀、ⓓミネアポリス連銀)の各総裁の発言も重要になってきます。